イネス石・湖北石 中国 湖北省産
2013年 07月 26日英名 Inesite with Hubeite
和名 イネス石・湖北石
産地 Fengiashan Mine,Daye,Huangshi area,Hubei,CHina
中国 湖北省産のイネス石です。lucioliteminerals(以前の紹介記事はこちら)で購入。
桜色がイネス石、黒いところが湖北石。
ピンクに黒、きらきらとした水晶の縁取りが美しい標本です。
イネス石は稀産で、中国とアメリカの一部でわずかに採集されるようですが、日本ではそれほど珍しい鉱物ではないようで、以前はマンガン石灰沸石とも呼ばれていたようです。
この美しい桜色はマンガンによる色で、光によって褪色してしまうため、普段は鉱物蒐集棚の引き出しの奥にしまってあります。
イネスとはギリシャ語で「肉の筋」の意です。
筋肉、などというとマッチョな響きと思われるかもしれませんが、私はむしろ、人体の美しさをリリカルに表すとこうなるのではと思っていたりします。
社会的要素、恋愛要素を排除した美醜の感覚によって人体を観察すると、やはり命の造型は美しい、と思います。
筋肉にしても、こんな完成した美しいかたちが、人それぞれみんなに備わっていると思うと感動します。
とはいえ、「筋肉は美しい」なんて言うと誤解を受けそうですが。
裏側も微細な水晶でコーティングされ、きらきらとしていてなかなか素敵です。
さて、今回の背景は「筋肉」から連想して19世紀の診察鞄(ダレスバッグ=ドクターバッグとも呼ばれます)の細密画です。
筋肉の細密画でもいいかなと思ったのですが、撮影してみたらさすがにおどろおどろしかったので・・・。少し遠慮してみました。
背景に使った9番の図は本の記載によるとfor general practice、一般開業医用の診察鞄です。
時代からいうとちょうどシャーロック・ホームズのワトソン医師が使っていたのはこうした鞄でしょうね。
私は医学には全く学識・知識のない門外漢ですが、門外漢であるがゆえにこうした「怪しげな器具の詰まった機能的な鞄」にはわくわくします。
映画「スリーピーホロウ」でジョニー・デップ扮するイガボット捜査官がダレスバッグを広げ、怪しげな薬品や器具が飛び出すシーンがありますが、あのイメージです。
秘密の道具の詰まった怪しい鞄、たまらないアイテムですね。
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