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ロシア産十字石

我が家の子供たちの通う幼稚園が昨日より春休みに入り、夫も土日当直続き、お彼岸ということで実家も忙しいので私は行けませんが、今週木曜日からは新宿スペースゼロにてホリミネラロジー さんのミネラルコレクティングSpring'14 、金曜日からは横浜の産業貿易センタービルにて横浜ミネラル・ザ・ワールド が開催され、Cafe SAYA では鉱物カフェ が開催されています。

こんな鉱物関連イベントが盛りだくさんの週末ですので、世間の石好きの方のブログやTwitterでは美しい石、綺麗な石、希産鉱物が百花繚乱。
華やかなツーソンや海外店舗からの新着鉱物のニュースはそちらにお任せするとして、留守番の私は敢えて今日は地味な色目の石をご紹介しようと思います。



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十字石(staurolite)
産地:Keivy,Kola peninsula,Russia
珪酸塩鉱物 単斜晶系(Fe,Mg,Zn)2Al9(Si,Al)4O22(OH)2


十字石、姿そのままのネーミングです。

この自然の驚くべき造型は、柱状の結晶が双晶を成した際にできるものですが、直角に柱状結晶が交わる「直交」のものと斜めに交わる「斜交」のものがあり、直行のものはまさに十字架をイメージさせるため、人気があり斜交のものより高価です。



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語源の「Stauros」とはギリシャ語で十字架を指します。
色合いは茶褐色で、表面はガラス光沢があり、日に当てるとキラキラと光りが控えめに反射します。
母岩は脆く、綺麗に残っているものは少ないので高価です。
アップで見ると判ると思うのですが、のっぺりした質感ではなく少し砂っぽい感じで、ショコラクッキーのようなブラウニーのような質感です。が、それほど脆くはありません。触れても大丈夫な程度。
モース硬度は5~7なのでアパタイトや水晶と同程度といったところです。
このままペンダントヘッドにしたくなりますね(実際そういった商品も時折見かけます)。




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このまま身に着けてみたい、と思うのは皆同じようで、古来よりこの十字架の石はクリスチャンのお守りとしても珍重され、十字軍の兵士はこれをお守りとして身に着けていたそうです。

自然の中にさまざまな形を見出し、それに宗教的な意味づけをする行為は世界各地で見られますが、近現代のように精緻な人工物で溢れかえった生活環境ではない時代、森や山でこんな自然の十字架を見つけたいしにえ人の感動はいかばかりだったでしょう。




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(あなたの信心は何グラム?)



ほんの小さな欠片に人々が寄せてきた、様々な思いや祈り。
石に意味を見出すこと自体はとても美しいと感じます。
そこに商売っ気が入ると何か違う気はしてきますが…人の欲と信仰とは元来表裏一体のものかもしれませんね。


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(完成前の鉱物ガラスドーム「歯車修道院」と並べて)


正直に申し上げてこの石は素材にするには高価すぎるのですが…(普段使っている標本のおよそ4倍近い値段)、実はこれを使って作品に仕立てようと思っています。
私の好きなモチーフ、修道女や修道士のフィギュアと組み合わせたところを見たい、という単純な欲求からなのですが、さすがに少しばかり躊躇しています。
そのため、天然そのままの個体の様子をここに記録しておく次第。

いずれ作品に仕立てあがりましたらまた、ご紹介いたしますのでその時は在りし日の姿と見比べていただくと楽しいかもしれません。



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骨と十字架。
やはり絵になります。



(註:なお、本日エキサイトブログの画像投稿機能が非常に不安定で、復旧したようなのですが画像に関してはまだ完全に保存できているか定かではありません。後日、差し替える可能性もありますので予めご了承ください。
 先ほど、お知らせとして更新に関しまして記事を一つ書きましたが、こちらはなんとか本日更新ができましたので、こちらの記事をアップデート出来次第削除させていただきます)


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by zabiena | 2014-03-22 22:03 | 鉱物