蛍石酔い、ニューメキシコ州ビンガム産八面体蛍石バージョン


本日千葉では朝から素晴らしいお天気なので、また梅雨の晴れ間を狙って博物ふぇす用の写真をぼちぼち撮影しました。

(註:先日イリノイの大量八面体(当該記事はこちら)のご紹介時にもご説明いたしましたが、博物ふぇすの物販ブースには「学問からエンタメ!」という展示への参加が必須となっています。素人の私があれこれ鉱物について解説してみても片手落ちだろうということで、20年来蒐集してきた「どうかしている量の八面体」の撮影を進めており、このパネルと現物の八面体の展示を以て素人蒐集家ならではの参加をしよう、というお話です)





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イリノイ州に引き続き今回は、ニューメキシコ州ビンガム産の八面体劈開蛍石です。
前回ほどではないものの、やっぱり大量です。
と言っても、これは個人で蒐集したものだけではなくて、作品に仕立てるためにここ半年ほどで仕入れたものを含みます。



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ニューメキシコ州、ビンガムの蛍石は濃い青が魅力なのですが、イリノイほどの透明度はなく、むしろすりガラス状で曇った質感です。
なので、現在流通しているほとんどの八面体にはシリコンオイルが塗られています。
これはあちらの方の感覚では純然たる好意であって、染色や加熱などの加工とはちょっと意味合いが違うのですが、このあたりの感覚を許せない方もいらっしゃるようで、そういった方は八面体劈開標本ではなく、母岩付の未加工品をお買い求めになるほうが安心ですね。
(過去の記事ではこちらが母岩付の標本で、オイルは塗ってないものです)

私としては、そもそも八面体に割った時点で人の手は入っていますし、これを特殊な洗浄剤で落とすことはもちろんできる(水や中性洗剤で洗ったくらいではオイルは落ちません)のですが、なんというか…ガサガサして曇った残念な感じになってしまうし、そこまでする意味も見当たらないので、このまま陳列したり作品に使ったりしています。

今考えているのは、オイル浸潤のビンガム産八面体蛍石グローブ。
そもそもオイルが塗ってあるのなら、オイルに浸してしまえばよいのでは…なんて考えています。
スノーグローブのように振ってみるのはキケンですが、置いておくには素敵かもしれません。




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乾いた状態ではわかりにくいですが…



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水をかけると少し、てらてらとしたオイルの様子がお分かりになるかと思います。




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イリノイに比べて流通量が少ない(と言っても現在はイリノイは絶産ですのでやっぱり手に入りづらいですが)ビンガムの八面体ですが、知人の業者さんのお話によると、どうやら劈開にそって綺麗に割れないこの性質は多結晶由来のものだそうです。
劈開面が斜めになっていたり、沿っていたりしてあまりうまく八面体に割ることができません。
…私も中国産・ナミビア産・ビンガム産のものはチャンクを割ったことがあるのですが、きれいな八面体に割ることはできませんでした。

一方、ガラスのように透明感があって劈開面が滑らかで平らなイリノイのものは劈開の並びが均等に揃っていて、これはおそらく単結晶由来のものだそう。私程度でもそこそこ正八面体に近づけた形に割ることができます。

これはまた別の業者さんのお話ですが、現在出回っているビンガム・ブランチャード鉱山の八面体はある程度技術を持った職人さんが割っているのではないか、とのこと。
…さすがに素人では正確に正八面体に割るのは難しいようです。




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イリノイ産に比べると一段落ちるような評価のビンガム産ですが、やはりこの深い青はたまりません。
天空の城ラピュタ…、飛行石…、なんて声も聞こえてきますが、私にとってなんとなく夏のイメージなので、貝殻・サンゴと合わせてみました。




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こちらは定番の、ガラス瓶。共栓三角フラスコです。
ガラスと蛍石は永遠のベストカップルですね。






あれやこれやと炎天下、撮影するのもまた、楽しい青です。

作品に仕立てた分を別として、こちらも現物は会場にお持ちする予定ですので、当日お越しのお客様には是非、ご覧になっていただけたらと思っています。
(蛍石は硬度の低い石ですので直接触ることはできませんが、どうぞご理解をお願いいたします)


青は…やっぱり格別ですね。




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Commented by くつ箱 at 2014-06-19 18:39 x
その通り!青は格別ですね♪
青は欧米で人気があって、日本人は緑好きだとも業者さんの話として聞いたことがあるのですが、個人的にう~ん、そうかなあというぐらい、やっぱり青!と思います^^
NM産は多結晶由来、IL産は単結晶由来ですか・・・なるほどと思いました。たしかにNM産は群れている結晶標本で、IL産は一つひとつ独立している結晶標本、見ますものね。成長の仕方が違うのですから割れ方も違うのでしょうね。勉強になりました~"φ(・ェ・o)~メモメモ
Commented by zabiena at 2014-06-19 23:54
>くつ箱さん

本当にね、青は格別ですよね^^

先日Cafe SAYAにて、SAYAさんに「なんでアオアズマヤドリは青いものを集めるんでしょうねえ」と聞いたら「それは女子が青いものが好きだから!」と即答していらっしゃって、ああそうか、と(笑)
私も個人的には緑好きよりも青好き、という方のほうが多く感じますね。

私は鉱物の知識など全くない素人なんですが、親しくさせていただいている、信頼できる業者さんからいろいろお話を伺わせていただく機会がありまして、その時に劈開の話になりました。
その方はご自身でも八面体を整形なさる方なのですが、やはりイリノイが一番割りやすいと仰ってましたね。
やっぱり現場の方のお話はとってもためになります^^
by zabiena | 2014-06-19 13:17 | 鉱物 | Trackback | Comments(2)