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鉱物スノーグローブ(S)「イリノイ州産蛍石」

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博物ふぇすに向けての制作の傍ら、あれやこれやと毎日、新しい試みは続けています。
そんなわけで、博物ふぇすまであと僅かですが、本日は試作品のご紹介をさせていただきますね。



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鉱物スノーグローブ(S)「イリノイ州産八面体蛍石」

鉱物:イリノイ州産八面体蛍石(Cave in Rock,Hardin country,Illinois,USA)
サイズ:高さ約6.5cm,ドーム直径約45mm高さ約6.5㎝  ドーム直径約45㎜



幼い頃父に連れられて行った府中・郷土の森博物館のミュージアムショップで、父にねだって蛍石の八面体のマイクロマウント標本を買ってもらいました。

通りすがりの学芸員さんが「蛍石はね、光る石なんだよ」と言いました。
その一言で、小さな標本ケースに入った八面体の石は魔法の道具のように思えました。

幼い私はそれが人の手によって割られたものであることは知りませんでしたし、光らない蛍石もある、ということも知りませんでしたが、光る八面体の蛍石は私の夢の中に何度も出てきました。
以来ずっと蛍石に魅せられ続けています。

そんな積もりも積もった30年あまりの思いもあり、イリノイ州産の蛍石をスノーグローブやスノードームに入れる試みは、スノードームを作り始めた当初からずっと行ってきているのですが、八面体、特にイリノイ州産のものは表面が滑らかで接着剤が剥がれやすく、実用に向かないと判断していました。


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…が、今回の博物ふぇすてぃばる!では八面体の展示をすることもあり、それに合わせてどうしても、時計荘のメイン創作物であるスノーグローブに私が一番愛するイリノイの八面体蛍石を入れたものを作りたくなりました。


なので、あえて今回は接着を一切せず、激しくシェイクしない設定のスノーグローブを数個、制作してみました。
今回は数を使うので八面体蛍石は私の割ったものではなく、イリノイの職人さんが割ったものなので、形はとても綺麗です。(その分、原価は高いですが…)



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…のですが。
オイル封入ですとイリノイの美しい色が飛んでしまうし、水封入ですとカビの発生が怖い…というわけで、今回はあれこれ混ぜたものを使った試作品、ということになりました。

粘度が非常に高く、水性なので万が一漏れてもオイルよりは被害が少なく、また人体にも無害な工業用ポリビニールアルコール(PVA、つまり洗濯のりと同じ成分のもの)他、防腐剤や界面活性剤、今までのノウハウを元にいろいろ混ぜてあります。カビの発生は水よりも確率が少ないと思います。ちなみに私が一年前に作った、洗濯のりで封入してあるスノードームはほとんどカビが発生していません。

…が、あまり自信はないのです。

この配合のもので経過を1年以上見ないことには、なんとも言えないので…なのであくまで「試作品」です。
これから液体が曇ったりすることもあると思いますし、いずれにせよ最終的にはスノードームは劣化していきます。

中の蛍石にはほとんど影響はないとおもいますので、最終的に劣化してしまったら中身を出して(中身の出し方は簡単で、木の台座をぬるま湯で温めるとグルーが溶けますので、台座をひねるようにして外すと、ゴムキャップがありますから、それを外すだけです。ただし、ガラスは非常に割れやすく危険な薄いガラスなので、怪我には十分お気をつけ下さい)よく水洗いすれば、八面体蛍石自体は通常の状態と変わらない状態を保っていると思います。



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封入物には何種類か、バリエーションがあります。
上の画像は八面体の他、イリノイ州産蛍石の細かな欠片(ほとんど粉です)と蓄光セラミックを入れてあります。



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蓄光セラミックの蛍光はかすかですが、舞う様子はなかなか素敵で、液体の透明度も高いです。



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こちらは八面体蛍石のほか、蓄光セラミックの粒と、ウランガラスの欠片入り。
こちらも比較的、液体は綺麗です。
ウランガラスはUVライトで黄緑に蛍光します。



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こちらは、蛍石の他、インド産の雲母薄片を入れてみたもの。
液体がかなり濁ってしまいました。
オイルでは透過するのですが、この溶液では濁りが出てしまうようです。
が、曇っているだけでカビや劣化ではないので、あえてこのままにしてみました。
霞んだ中に雲母がきらめき、蛍石の色合いが透ける様子が不思議です。



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ちなみに、どのスノーグローブも小さな球体で、ぎっっちり詰め込んでみるのも考えましたが、単価がすごいことになってしまうので…今回は各10個ずつ、色合いが平等になるように詰めてあります。
八面体が10個…というのは結構、贅沢な話です。

液体の粘度が非常に高いので(オイルよりずっと高いです)、揺すってみても蛍石は激しく転がったりはしませんが、あまり激しくシェイクすると角がぶつかり合って欠けてしまう可能性があります。
ゆっくりと揺すってみる、というような楽しみ方をしていただくのが良いかと思います。




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とりあえずは5つ、サービス価格で(と言っても個々の原価がかなり高いのでお安いものではないのですが、ほぼ原価、手間賃なしで)博物ふぇすてぃばる限定でお出しいたします。
あくまでサービス価格の試作品ですので…ご理解いただける方にのみ、お譲りいたします。
今後も改良は続けていきますので、完成形はまだ先…ということはこちらはサンプルセールみたいなものですね。

そんな曖昧な話で申し訳無いですが、どうぞよろしくお願いいたします。




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by zabiena | 2014-07-24 21:37 | スノードーム