noir lapinさんの「鉱物鑑賞箱」

先日、鉱物barへ赴いた際、フジイキョウコさんのご紹介にてnoir lapinさん(Twitterアカウント→noir_lapin)という方とお会いすることができました。
そして…世にも素晴らしいものを拝見してしまいました。

こちらは本当に私の拙い文章など邪魔になってしまうような素敵な作品ですので、実物の素晴らしさには遠く及びもしませんが、当ブログの読者諸兄にもぜひともその素晴らしさをお伝えしたく…、まずはこちらの、ご本人が撮影された動画をご覧ください。










お分かりになりますでしょうか。
蛍光鉱物を観察するための箱ですが、なんとも抒情的で泣きたくなるほど美しい、素敵な作品です。

古びた木箱の中に蛍光鉱物を入れスイッチを入れると、ブラックライトが点灯し、オルゴールとともにゆっくりと回転します。
その姿をそのまま眺めても素敵ですが、なにより、ふたを閉めてレンズからそっと覗いた時の、その美しい光景…。
実物を拝見して息がとまるほど、泣きたくなるほど、感動しました。
やはり石は、自然は、人の子の手の届かない神の領域の芸術です。
そしてそれを美しいと感じ、礼賛し、憧れと尊敬をもって、身近で愛おしむ人の心の、なんと切なく優しいことか。
こういったものを、労を惜しまず作る人がいる、ということにも、感動してしまいました。

noir lapinさんは本業をほかにお持ちの方で、こういった作品を専門に製作・販売しているクリエイターさんではありません。
だからこそ純粋に鉱物を愛し、その美しい姿を眺めていたいという、切なる思いがこんなに素敵な形となったのかと個人的には思います。
営利的な目的では決して到達することのできない、物に対する愛情や憧れに満ちた、素敵な作品です。

実際、この作品を作り上げるまでにかかる労力、加工に耐える資材の調達などを考えると、なかなか商売にはできない、とのこと。
それはそうだろうなあ…と、まったくもって割に合わない鉱物スノーグローブ作りに血道を上げる鉱物好きとしては、深く頷いた次第でした。(本当はスノーグローブだけ延々と作っていたくても、やればやるほど赤字が膨らむので他のものも作り始めたという経緯が私にもあります…今では他の物も作るのは大変、楽しくやりがいがありますが…)


そんなわけで、こんなにも素敵で、ぜひとも欲しい!!!と熱望する人が続出するであろう素敵な作品ですが、今は販売の予定などはめどが立たないそうです。
物欲の権化の私としてはかなり惜しくもありますが…一度でもその姿を拝めただけでもとても幸運です。
が、また同時に、その姿をしばし記憶にとどめておきたくて、カメラの腕のない私の撮影では魅力がお伝えしきれないのは重々承知ですが、何枚か撮影をお願いし、ブログへの掲載とご紹介の許可をいただきました。



f0280238_22032909.jpg


この状態ですでに、素敵です。
外側の箱は古い顕微鏡の箱に手を入れたものだそうです。
時を経たものだけが持つ、しんとした佇まいが、物語を予感させます。

中を覗くレンズから漏れ光る紫外線も神秘的ですね。



f0280238_22033167.jpg




f0280238_22033081.jpg


こちらはふたを開けて蛍光鉱物を入れたところ。
鉱物は上がロジャリー産の母岩付蛍石、下がオイル入り水晶。
どちらもnoir lapinさん所有の鉱物です。

中には黒い背景に蛍光塗料の星が描かれており…ねじを巻くとオルゴールの曲とともにゆっくりと台座が回転します。
曲は「星に願いを」。
胸が締め付けられるような、切なく美しい光景です。
こんなものを眺めながら夜、眠りについたらさぞかし、素敵な夢が見られることでしょう。
いつまでもいつまでも、眺めていたくなります。

この美しさを見てしまうと…この日鉱物barにて自分の購入した鉱物を入れてみたくなり…noir lapinさんのご厚意により、私の購入した透石膏と玉滴石も入れて撮影させていただきました。




f0280238_22003287.jpg


まずは砂時計構造の蛍光する透石膏。
こちらは蛍光する部分がまるで砂時計のように対称形です。
この不思議な蛍光と、この蛍光鉱物観察箱の物語性はとても似合う気がします。



f0280238_22033235.jpg


f0280238_22033348.jpg



こちらは玉滴石。
水の湧き出る泉のような石で、透明な部分が淡く蛍光します。
…こちらは、うまく撮影できなかったのですがレンズから除いた時の美しさに息を飲みました。

もちろんこの石自体も魅力的な存在ではあります。
が、ただブラックライトの下にこの石を置いただけでは、ここまでの感動はなかったことでしょう。
自宅で蛍光鉱物を観察するときというのは、夜寝る前に枕もとでライトをつけてみる、程度だったのですが…この作品の中に鉱物を置いた瞬間、それは「鉱物標本」の域を遠く離れた一つの物語へと昇華します。
もちろん、鉱物標本の観察としても「暗いところで紫外線を当て、全方向から観察できる」という、理にかなった環境ではあるわけで、そのあたりにもnoir lapinさんの鉱物に対する愛を感じますね。



f0280238_22032893.jpg
(鉱物barのオリジナルカクテルたちと共に)




ものづくりや芸術とは、何も一部の職人たちや商業的に成り立っているプロのアーティストたちだけのものではないはずです。
美を深く追求し、手を抜かず一切の妥協をせず、愛と敬意をもって一つの作品を作り上げるというのは、まぎれもなく一つの芸術であるわけで、それが商用利用できるかどうかはまた別のお話です。

noir lapinさんの卓越したセンスと、たゆまぬ努力と探求心に、心からの喝采を送るとともに、これからのご活躍にも大いに期待したいところです。

また、こういった機会を下さったフジイキョウコさんに心から感謝するとともに、石を楽しむということを開拓し続けるラボラトリ、鉱物アソビの活動に今後もますます注目していきたいと思った、そんな素敵な夜でした。

鉱物を愛する人たちが一堂に会する不思議なbarではやはり、不思議な魔法の夜を過ごせるものなのかもしれませんが、あの日私にかけられた魔法が解けるにはまだまだ、時間がかかりそうです。




にほんブログ村 コレクションブログ 鉱物・岩石・化石へ
にほんブログ村
↑ランキングに参加しています。ボタンを押してくださると、更新の励みになります。

[PR]
トラックバックURL : http://zabiena.exblog.jp/tb/22809772
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by zabiena | 2014-08-26 22:41 | 鉱物 | Trackback | Comments(0)