鉱物bar「結晶実験室」にて購入した硝子瓶など

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すっかりご無沙汰してしまいました。
…が、このところの曇天続きで鉱物の撮影が一向にできません。
ご紹介したい鉱物などがあるのですが、無理やり曇天のもったりした光のなかで撮影したところで、うまく透明感のある写真が取れるわけもなく、後悔することは目に見えているので、敢えて本日はこのもったりした光で理化硝子などを撮影してみました。





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本日撮影したのは、先日の「鉱物bar vol7 結晶実験室」(当日の紹介記事はこちら)にてHARRYSさん(公式サイトはこちら)とLe trotさん(公式サイトはこちら)より購入した理化硝子たち。


まずはHARRYSさんより購入した品。

上の画像は秤量瓶(ひょうりょうびん)、試料を正確に測るためのものです。
かつては操作に時間のかかる化学天秤によって試料が測られていたのでこのように蓋付きの硝子瓶を用い、蒸発などを防いでいたわけすが、現在は電子計量器が発達しているためこの秤量瓶を使わない場合も多いようです。

当日在廊していらしたHARRYSさんはこの秤量瓶を実際に吹いて作っていらした方だそうで、この秤量瓶を作る際の貴重なお話を伺えました。やはり、この取手の部分を作るのが大変なのだそう。
よくご覧になるとお分かりになると思いますが、胴のサイズの硝子筒を整形して蓋を作ってあるわけで、この取手は中が空洞です。
この佇まいの美しさは、職人技の繊細さから出ているのかもしれませんね。

ちなみにこの秤量瓶たちはきっちりと蓋がしまるように、一つ一つ蓋と本体に番号が振ってあり、本来ならばその組み合わせが違うものは精密な軽量には向かないため、廃棄処分になるはずです。
が、今回はその、廃棄処分になるはずのB品を大量に持ち込んでいるとかで、この大きなサイズでも比較的高額ではない価格で購入することが出来ました。
このあたりは製作者ご本人から購入する特典ですね。

…たとえ多少機能的に問題があろうと雰囲気だけでもよい、などと思ってしまうのは本来の理化ガラスとしての機能を求めていないから…、要はジオラマ瓶に作り変える予定で5つほど購入してきたのでした。(ジオラマ便に使用し販売する旨は了解をとってあります)

いずれ、作品に仕立てましたらまた、ご紹介いたします。
(既に半数は制作過程に入っています)



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さてこちらは、フラン瓶。(こちらもHARRYSさんより購入しました)
水質検査などに用いられる理化器具で、中に気泡を残さず密栓できるように、口が擦り硝子状になっています。

…などと知ったようなことを書きますが、私はもともとが文系も文系、日本語日本文学科文芸専修のド文系なので、フラン瓶を使ったことなど一度もありません。
が、「密封できる瓶」に弱いのです。
それはただ単になんとなく格好がいいから作ったもの、ではいけなくて、実用美を備えたものでなくてはなりません。
「ガラスの中に密封された世界」に魅入られ続ける私としては、このフラン瓶はその存在自体がたまらないものではあるのですが、なかでもこうした、比較的古い昭和のデザインのものが好きです。
(こちらも秤量瓶と同様、デッドストック(新古品)だそうで、調理用具としても使えますよ、とご案内いただきました)

勿論これもジオラマを作ってみようと試しに購入したのですが、口が細いので…なかなか難しそうです。
口が狭いと中に入れられる鉱物やジオラマ材料も限られますし、ピンセットの操作性も悪いので非常に繊細な作業となり、また、乾燥にも時間がかかるので、制作期間は長く掛かりそうです。
折を見てこちらも制作をし、出来上がったらまたご紹介しようと思います。


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そして、今回購入した中で一番のお気に入り。
ドイツの古い共栓三角フラスコです。(Le trotさんより購入しました)
共栓三角フラスコは蒸発しやすい液体などを入れて反応させるときに、液体の蒸発を防ぐために栓をして使うフラスコですが、これ自体で液体を保存することはありません。

…が、この噛ませてある薄紙(すりガラス状の部分に水分が付着すると栓が抜けなくなるのでそれを防いだり、ガラス同士が触れ合って割れるのを防止するために、こうした紙を噛ませます)の古びた感じがなんとも雰囲気があって、何かを入れて保存したくなりますね。

こうした理化器具に想像をふくらませたり、ストーリーを付加させていく過程が個人的にとても好きで、だからこんな制作活動などをしているわけですが・・・この三角フラスコの中に景色を密封させる、というのはなんとも甘美な空想です。

無骨な理化器具に、甘やかな夢を見るというのは、理科趣味・博物趣味をお持ちの方でないとなかなか共有が難しいものかもしれませんが、昨今そうした趣向に人気が集まって、こうしたものを手に出来る機会が増えてきたというのは非常に喜ばしいことですね。

飾り立てたガラス細工や贅を尽くしたガラス工芸ではなくて、実用品の理化硝子の、そっけない、けれども一面静謐で甘やかな夢を連想させる佇まい。
そうしたものに、とても惹かれます。


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今回の「鉱物bar 結晶実験室」、私は初めて夜に訪れたのですが、そのせいでしょうか。
まるで夏の夜、密やかに繁茂した誰かの夢の中の、架空の実験室に迷い込んだような気持ちになりました。

いったいそこで誰が、なんの実験をしているのか、皆目わからない。
透き通った理化硝子、白熱灯の明かりにひっそりと光を反射するきらめく石たち、淡い色合いの色水の中で音もなく成長していく結晶。

そんなものたちをひっそりと眺めた夜は既に遠い記憶になりつつありますが、誰かの夢の中から持ち帰った硝子瓶たちは今日もまた静かに我が家で、今度は私の夢に入り込む時を待っています。



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by zabiena | 2014-09-08 22:41 | 雑貨 | Trackback | Comments(0)