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蜜色方解石劈開標本 中国産

蜜色方解石劈開標本 中国産_f0280238_0375015.jpg

中国産の方解石劈開標本。
淡い蜜色がなんとも微妙な色合いです。
今年の第三回東京蚤の市(紹介記事はこちら)で、フジイキョウコさんのお店にて購入したものです。

若いころからメニエール持ちなので疲れが溜まると眩暈を起こすのですが、眩暈というと方解石の複屈折で二重にぶれた文字を思い出します。

理科の授業で習った方も多いと思いますが、方解石を通してみると物が二重に見える現象を複屈折と言います。
他にも複屈折を起こす鉱物はあるそうですが、方解石のようにはっきりと肉眼で複屈折を観察できるものは稀なようです。
これは方解石の結晶構造が縦方向と横方向で異なり、そのため光が入射した時に2方向に別れて進むためです。
私の説明ではわかりにくいと思いますので、詳しく知りたい方は数研出版の解説が載っているこちらをどうぞ。


方解石のなかのぶれた文字と、真四角ではなく潰れた燐寸箱の形の、端正でありながらどこか歪な印象の劈開標本を見ていると、不安定な気持ちになります。

眩暈の中、どちらが天でどちらが地かわからなくなり、右と左前後ろがぐるぐると回り、景色がぶれて曲がって歪むあの感覚。

メニエールによる眩暈で起き上がれないほどになると気持ちが悪くて本当につらいのですが、実は私は眩暈が嫌いではありません。

足元が崩れ落ちる、奈落の底へ落ちる感覚はアリスの落下にも似る気がして、アリスには似ても似つかないこんな太った中年のおばはんではありますが、少し現実から離れて悪い夢の中に招待される気がするのです。



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by zabiena | 2013-08-04 00:37 | 鉱物