イリノイ州産八面体劈開蛍石について

エキサイトブログの障害やメンテナンスでバタバタとしてしまい、オマケにこのところ酷い花粉症でアレルギー症状が酷くなんだか憂鬱な3日間でした。
気を取り直して本日は、メールにて読者の方よりリクエストのあった蛍石八面体について、記事にしたいと思います。



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蛍石といえば八面体の劈開標本。

一定の方向に向けて割れやすい蛍石の性質を利用して作られたこの美しい形の標本ですが、私が出会ったころ(小学校2年生でした)はもっと彩り豊かだった八面体の蛍石も、イリノイの鉱山が閉山してからは色付きのイリノイのものは少しずつ姿を消し、今ではわずかにコレクターやバイヤーの放出品にてそのかつての精彩を忍ぶのみとなっています。

そのせいか、やはり往時に比べるととても高価になってしまったイメージがあります。良心的なディーラでは未だに「蛍石として妥当」な値段をつけているところもありますが、大半はレア物価格で販売されていることが多く、またお金を出せば買えるというものではないため、足元を見られても元がそれほどの値段ではないため、しぶしぶいい値で買うしかない、という状況ではあります。

イリノイにはこの八面体を整形する職人がいたそうですが、なぜイリノイのものは透明度に加えてこれほど形が整って美しいのだろう、やはり職人の技なのだろうか、と長年疑問だったのですが、先日自らイリノイ州産の蛍石をきれいな八面体に割りなおして販売されていたluciolitemineralsさんにお聞きしたところ、ニューメキシコ産や中国産のものは結晶の並びの性質上、ああいった割れ方をしないとのこと。
ガラス質で透き通った感じの、イリノイ州産ならではの特性のようです。

一時期は私も自分で安価なものを劈開にそって割ってみようとトライしたことはあるのですが…不器用な上に工具(鏨)や機材(鏨を薄く研ぐグラインダー)もきちんと揃えた上で相当数の鍛錬をしなければ無理だ、という結論に達し、現在ではなるべく形と色の良いものを購入する、という他力本願になっています。


現在私の手元にある蛍石の八面体は、成人してから長年かけて少しずつ集めたものです。
コレクションとして取っておいてあるものは中でも色合いが綺麗で形が整っておりクラックの少ないもので、これらは以前から少しずつ紹介したことがあります。


過去、記事中でご紹介済みの画像から引用しますと、例えば↓これら(上の画像のものとはまた別の個体たちです)とか…

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(こちらはlucioliteminerals さんに譲っていただいたもの。最近は競争率が高く手に入りません)





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(こちらは鉱物店やミュージアムショップ、ミネラルショーでちまちまと集めたもの)


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(瓶の中のものはlucioliteminerals さんに譲っていただいたもの。
1年以上前の話です。現在は競争率が高いのであまり買えません)



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(↑奥の緑色のものは中国産、その隣の黄色のものはナミビア産で、前の3つの瓶がイリノイ州産です
 特に、右端の瓶入りのものは透明度が高く美しいものが入っています)



大きなものではこれらとか↓

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(耳猫冬市にて購入した、長野まゆみ氏放出品)






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(ミネラルショーに行くたびに一つずつ購入したもので、かなりサイズは大きく、ラメ入りが美しいです)




これらは他の産地(ドイツやニューメキシコ)の八面体と共に鉱物棚におさめてあるのですが、本日新たにご紹介するのはそこまでランクの高いものではないけれど、作品に使うには十分なレベルのもの、として仕分けられたイリノイ州産の八面体蛍石たちです。




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瓶の中の八面体は透明度も高く、クラックも少なく、色合いの美しいもの。


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トレーの上のものは、クラックや傷があるものの、美しい色合いのもの。


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その下にあるものは不透明ではあるものの、傷のない形のいいものです。



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これらは私がミネラルショーや鉱物店などで少しずつ集めたものに加え、最近アメリカからの個人輸入で買い集めたものです。

以前、きらら舎さんが作っていらっしゃったポストカード に一目惚れをし、アンティーク理化硝子の瓶などに入れて蒐集していましたが、そろそろ数も多いのでこれらは作品に仕立てて放出しようと思います。
少しくすんだこれらの八面体が、どのような夢の景色に仕立てあがるのか、考えていると時を忘れますね。




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いくらイリノイ州産の八面体とはいえ、くすんだもの、クラックによって虹の入ったものは標本単体で見るとやはりそれなりにしか見えません。
が、ジオラマの中に入れてみたりすると、とたんに物語を紡ぎ出すものも多いです。

硬度が低く宝石にはなれない、色合いや状態から標本としても珍重されないそれらが、夢の中の風景の中では生き生きと色づくのを見るのは楽しいものです。
むしろ、透き通って色合いの美しすぎるものはそれ単体で見たほうがやはり美しく、印象が強烈なのであまりジオラマの中では生かしきれない部分があります。
宝石や高価な美術品にはない、ささやかで密やかな愉しみ。
その辺りに、鉱物ガラスドーム、鉱物ジオラマ制作の面白さがある気がします。


鉱物スノードームシリーズのあれやこれやに並走して鉱物ガラスドーム、鉱物ジオラマ瓶の制作も進めているのですが…子供たちの通う幼稚園が春休みで、来年度から年少に上がる次男の入園準備などでなかなか進みも遅くなっています。
デザフェスにはある程度の数(10個くらい)、博物ふぇすにはもう少しまとまった数(20個くらい)は持って行こうと思っていますので、どうぞ気長にお待ちいただけたら有難く存じます。



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by zabiena | 2014-03-26 13:48 | 鉱物